肉離れ後のリハビリテーションについて

肉離れ後のリハビリテーション

  • 急性期: 無理せず冷却と圧迫で安静に
    1. 痛みの軽減
    2. 炎症をコントロール
  • 回復期:痛みのない範囲で筋肉を強化していく
    1. 柔軟性の改善
    2. 筋力の回復(再発予防)
  • 競技復帰期:サッカーへ向けたトレーニングへ
    1. ボールを使ったトレーニング
    2. キック・ランニングの開始

ハムストリングス(もも裏)の場合

復帰の流れ

セルフチェックが大切

1)圧痛(押して痛み)
2)抵抗痛(力を入れて痛み)
3)ストレッチ痛(伸ばされて痛み)
4)片脚ブリッジテスト(長い時間、力を入れて痛み)

トレーナーまたは詳しい選手と一緒に確認を。
常に「ケガしていない足と比較」を行いましょう。
痛みが残っていれば、次の段階に進むことは慎重に。

1)圧痛

うつ伏せで 痛みの部位、範囲、強さを確認

例:お尻に近い方か、中央か、膝に近い方か
  以前より 狭くなってきているか
  以前より 強く押されても痛くないか

2)抵抗痛

別の人に抵抗をかけてもらい、痛みと力の入り具合を確認

仰向け
足を伸ばした状態で、上に示す3つの角度で、抵抗に打ち勝つように足を下ろす力を入れます。

うつ伏せ
膝の角度を、上の3つにしたところから抵抗に打ち勝つように膝を曲げるよう力を入れます。

3)ストレッチ痛の確認

膝を伸ばして足が上がる角度を左右で比較

例:右足に痛みがあり左足と比べ半分しか上がらない

肉離れ(にくばなれ)とは?参照」

膝をかかえた状態から膝を伸ばして、痛みの出る角度を確認

例:膝が30度に伸びたところで痛みがある

痛みや左右の違いがあれば、柔軟性の改善が重要ですので、ストレッチを継続します
ストレッチングについて 6.ハムストリングス参照)

4)片脚ブリッジテスト

片脚でお尻を持ち上げて力を入れた時の太ももの裏側の痛みを確認します。
つりそうになるので注意してください。

筋力強化の方法

筋肉を伸ばす方向で強化を行うことを遠心性トレーニングと呼びます。
スポーツ復帰までの期間が短縮するといわれています。

遠心性トレーニングの例

  • The Extender
  • The Diver

The Extender

柔軟性の改善

股関節を90°に曲げた状態で太ももを抱え、痛みが出る手前までゆっくりと膝を伸ばします。
回数は10回×3セットが目安です。

The Diver

筋力向上と骨盤・体幹の安定化

体を真っ直ぐにした状態から、痛い方で片足立ちになり、腕を前方に伸ばしながら、反対の足を後ろに伸ばし、体がなるべく水平になるように前方へゆっくり倒します。
回数は5回×3セットが目安です。

ボールトレーニング

リフティング

ボールタッチ

ドリブル

痛みがなければ早めに始めてもOK

キック動作の開始

ハムストリングスが無理に伸ばされる力が加わらない動作から順に行います。
痛みが出ないことを確認しながら段階的にレベルを上げましょう。

インサイド → インステップ
足の振りを小さく → 大きく
ショートパス → ロングパス → シュート

インサイド → インステップ

足の振りを小さく → 大きく

ショートパス → ロングパス → シュート

ランニングドリルの例

ランニングは50%→70%→90%と痛みがないことを確認して段階的にスピードを上げていきましょう。

競技復帰の流れについて(一例として)

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